福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズを制覇しました。
福岡に戻ってきて、さらには終盤で追いつき延長で逆転と、演出されたような展開に驚きました。
試合中の時間帯にスーパーに買い物に行ったのですが、あまりの閑散ぶりに一瞬「あれ?今日は平日だったかな?」と思ってしまいました。
テレビ中継の影響だったようです。
さて、こういった日付や曜日の勘違いの頻度が増えてくると「自分は認知症なのでは…」と心配になったり、ご家族から間違いを指摘されているうちに「認知症になっているのでは…」と病院受診を勧められる方もいらっしゃるかもしれません。
認知症は2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、2025年に700万人を超えるとの推計値が発表されてるだけに、身近な病気として当院にもよく相談があります。
しかし、よく確認してみると認知症ではないことがあります。
なぜこのような“ずれ”が生じるのでしょうか。
それは加齢による変化を認知症と勘違いしてしまうからです。
加齢に伴い、認知機能が低下していくことはどうしても避けられません。
年齢相応の『もの忘れ』が出ることは自然なことです。
ただ、この『もの忘れ』、当然のことながら認知症でも出現します。
実は『加齢に伴うもの忘れ』と『認知症のもの忘れ』には特徴に違いがあります。
簡単に表にまとめてみました。
『見当識』とは、自分が置かれている状況、たとえば年月日、時間、季節、場所、人物などの状況を正しく認識する能力です。
見当識障害が起きると、今日は何月何日か、今が何時か、今自分がどこにいるのか、誰と話をしているかなどが正確に認識出来なくなります。
『取り繕い』とは、記憶が抜けてしまったところや、外からの情報を適切に処理・統合できないことに対して、とっさに機転を利かせた対応をすることをいいます。
具体的によくあるのは、記憶障害や物忘れを人のせいにしたり、話をはぐらかしたりすることです。
『認知症のもの忘れ』については進行を緩やかにすることができる場合がありますので、当てはまる項目の多い方は受診をお勧めいたします。
なお、表で挙げた項目はあくまで一般的な特徴であり、項目ごとに原因が異なる方もいらっしゃいますし、判断に迷われることもあると思います。
その時はお気軽にご相談ください。