河端です。
2019年5月28日に国東市医師会学術講演会で不眠症に関する講演を行いました。
不眠症領域ではここ数年、睡眠薬のうち、ベンゾジアゼピン受容体作動薬と呼ばれる薬剤の依存性や犯罪目的での使用などが大きな問題となっており、講演では適切な不眠症治療をどう行うべきか、薬剤を使用する際にはどのような点に気を付けるべきかを中心にお話しさせていただきました。
平日の夜間にもかかわらず多くの方々が参加され、診療後のお疲れの中、講演にお付き合いいただきました。
また、質疑応答では参加された先生方より日々の診療での御苦労をお示しいただき、貴重な意見交換をすることができました。
現在、医療機関でのベンゾジアゼピン受容体作動薬の処方については国(厚生労働省)の方針に沿って原則として控える方針になりつつあります。
一方で、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の持つ依存性から処方を希望する方が後を絶たず、対応に苦慮することも少なくありません。
当院では不眠症についてはまず、薬剤に頼らない形での治療を御提案させていただき、やむを得ず薬物療法を行う場合は依存性や安全性に配慮した処方を行うようにしております。
また、特定の薬剤(特にベンゾジアゼピン受容体作動薬)を銘柄指定して処方希望されても、使用が不適切と判断される場合は処方を行わず、別の方針を御提案させていただくこともございます。
適切かつ安全な医療を提供するために御理解いただけると幸いです。
最後に、講演の機会を与えていただいた国東市医師会の皆様に心より感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。