『酒は百薬の長』という左党の皆様が大好きな言葉があります。
この言葉の出処をご存知でしょうか?
実はこの言葉、吉田兼好の徒然草に記されているものなのです。
徒然草は1330年頃にまとめられた随筆とされているのですが、約700年も前にこの言葉が登場してきたことに驚かされます。
ただ、左党の皆様がもっと驚くことがこの言葉の後に書かれているのです。
徒然草には
『百薬の長とはいえど、よろずの病は酒よりこそ起これ』
と書かれています。
つまり
「酒は百薬の長とはいうが、あらゆる病気は酒から起こる」
ということになります。
そうなると、以前お伝えした“適切な飲酒量”を守れば良いのかという話になるのですが、2016年にオーストラリアの研究者から適量のアルコールが寿命を延ばすという見解に疑問を呈する研究結果が示されました。
この研究では「全く飲酒をしない人に比べて、適量の飲酒をする人に生存期間の面で利益は認められなかった」とされており、また、飲酒する人のなかで最も結果が良好であったのは、「10日前後につき1杯未満(アルコール10g程度:具体的な量については以前の文章をご確認ください)酒を飲む人だった」とされました。
この研究の結論には「アルコールを楽しむのはよいが、酒を薬のように考えるのは間違っており、過剰に摂取すれば依存症や有害な影響があることを考えると、ほとんどの人にとっては、健康のためには飲酒量は少ないほどよい」と記されています。
このように、適切な飲酒量についてはまだなお議論はあるものの、飲酒量を減らすこと自体は健康増進につながるということはほぼ間違いないでしょう。
世界保健機関(WHO)も2010年に『アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略』を採択し、加盟各国に積極的な取り組みを求めていますが、まだ十分な対応ができていないというのが実情です。
しかし、政策と関係なく、まずは皆様一人一人がお酒とどう向き合っていくかが大切だと考えております。
お酒の飲み方等でお困りの方がいらっしゃれば、遠慮なくご相談ください。